日本民间故事
むかしむかし、ある山やまの村むらの婿むこさんが、初はじ日本民间故事めて山やまをおりて嫁よめさんの家いえへ行いきました。
很久很久以前,某个山村里的女婿初次下山去妻子家。
嫁よめさんの家いえでは婿むこさんにごちそうしてやろうと、おもちをつきはじめました。
妻子家的人为了好好招待女婿,开始做年糕。
するとそこへ近所きんじょの家いえの小ちいさい子こどもがやってきたので、家いえの人ひとが、「だめだめ。これは、こわい物ものだ。危あぶないから、あっちへ行いっていろ」と、言いったのです。
这时附近人家的小孩子过来了,家里人就吓唬他们说:“不行不行。这是很可怕的东西。这里危险,去那边吧。”
それは子こどもを追おい返かえすために言いったのですが、それを聞きいた婿むこさんは、おもちが本当ほんとうにこわい物ものだと思おもいこんだのです。
原本只是为了赶走小孩子说的话,却被女婿听到了,他就真的以为年糕是很可怕的东西。
「さあ、出来できた。婿むこどの、遠慮えんりょしないで、どんどん召めし上あがってくださいな」そう言いっておかみさんがお皿さらに乗のせて持もってきた物ものは、おもちをあんこで包んだぼたもちでした。
“好了,做好了。女婿呀,不要客气,多吃点多吃点。”丈母娘这样说着,端出了一盆用豆馅儿包着年糕的牡丹饼。
それを見みた婿むこさんは、(やや、なんてまっ黒くろい物ものなんだ。これはきっと、バケモノにちがいない)と、思おもって、ガタガタとふるえたまま食たべないでいました。
女婿看到后,想到(不,这黑漆漆的东西。一定是什么妖怪),哆哆嗦嗦地一点都不肯吃。
するとおかみさんは婿むこさんがお腹はらいっぱいなのだと思おもい、帰かえる時ときにそのぼたもちをふろしきに包つつんでお土産みやげに持もたしてくれました。
丈母娘以为女婿肚子很饱才不吃的,所以在他回去的时候,把牡丹饼包好让他带回去。
「これ、持もって帰かえるのか」
“这个,要带回去吗”
「ええ、えんりょなく、持もって帰かえってくださいな」
“是啊,不要客气,带回去吧。”
「はあ」婿むこさんは仕方しかたなくぼたもちのふろしきを受うけ取とりましたが、途中とちゅうで長ながい竹たけざおを拾日本民间故事ひろうとその竹たけざおの先さきにふろしきをぶらさげました。
“啊”女婿没有办法,只好收下包裹,途中,他捡了根长竹棒,把包裹挂在竹棒的前端。
「よし、これで大丈夫だいじょうぶだ」ところが竹たけざおの先さきにぶらさげたふろ日本民间故事しきが、だんだん下したへおりてきて婿むこさんの背中せなかにペタリとぶつかったのです。
“这样,就没关系了吧。”可是挂在竹子尖端的包裹慢慢地下滑,然后一下子撞到女婿的后背。
「ウヒャーーーァ!まっ黒くろのバケモノが背中せなかにかみついた!」びっくりした婿むこさんが竹たけざおを投なげ捨すてると、ふろしきからこぼれ出でたぼたもちがつぶれて、中なかから白しろいおもちが出でてきました。
“哇……!黑漆漆的妖怪咬我的背了!”吓到了的女婿扔下竹棒,掉出来的牡丹饼摔坏了,里面白白的年糕就出来了。
それを見みた婿むこさんは、よけいにビックリして、「ドヒャーーーァ!バケモノが、歯はをむいてきただ!」と、言いって、そのまま家いえまで逃にげ帰かえったという事ことです。
看到这一幕的女婿更加吓了一跳,“哇呀!妖怪在张牙舞爪啊!”就这样逃回家去了。